日本取引所グループ(
JPX)は、
野村ホールディングス傘下の野村証券など主要証券で相次いだ国債先物の相場操縦問題を受け、デリバティブ(金融派生商品)取引の売買審査指針を改正する。
JPXの広報担当者によると、傘下の
大阪取引所の市場参加者に20日、ガイドラインの改正方針を伝えた。証券会社などが自ら日本国債の先物取引などをより効果的に監視できるよう、デリバティブ取引の審査基準を明確化する。近日中に実施する予定だ。
金融庁は昨年、野村証券が2021年に約定する意図のない見せ玉を出しては取り消す「スプーフィング」と呼ばれる行為を行い、金融商品取引法に違反したと認定した。その後、JPXと日本証券業協会は、証券取引等監視委員会の要請を受け、再発防止に向けた対策を
協議していた。
ガイドラインの改正はJPXの自主規制機関である日本取引所自主規制法人が行うという。
同機構では証券会社などの管理体制を向上させるため、ガイドラインの改正と合わせ、取引参加者向けセミナーなどを通じて各社の管理実態やベストプラクティスに関する情報を共有するといったサポートを行う計画だ。改善に向けた指導や助言もこれまで通り継続する。
取引ルールがより明確になればトレーダーも恩恵を受ける可能性がある。スプーフィングと通常取引を明確に線引きすることは難しく、4年前にこの行為に関与したとされる野村証券の元トレーダーは潔白を主張している。一部の国債先物トレーダーはルールが不透明であることから誰でも違反と見なされて職を失うリスクがあると指摘している。
今回見直し対象となっているガイドラインは、金融庁がシティグループと三菱UFJフィナンシャル・グループをスプーフィングで処分したことを受け、20年にJPXがデリバティブ取引を対象に策定したものだという。改正されれば初めてとなる。会員とのみ共有されており、一般には公開されていない。
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