ベッセント米財務長官、大統領の謙虚な助言者を自認-インタビュー
記事を要約すると以下のとおり。
トランプ米大統領が「解放の日」と呼ぶ広範な関税措置を発表した4月2日から4日後の日曜日、フロリダ州にある邸宅「マールアラーゴ」から首都ワシントンに向かうトランプ氏の帰路、ベッセント財務長官は大統領専用機に同乗していた。「経済的な核の冬」が差し迫っていると警鐘を鳴らした。ウォール街にとって、ベッセント氏は語った。「仮に「これが数字だ。」しかし、トランプ氏はベッセント氏に指示。「交渉に応じるつもりがあるとは、絶対に言うな」と話したという。 ベッセント氏はホワイトハウスの外で記者団に対し、トランプ氏が方針を貫いたのは「非常に勇気ある」決断だったと称賛。関連記事:ベッセント氏、一躍ウォール街の「時の人」に-日本などと関税交渉主導 こうした臆測を背景に、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のコラムニストが「TACO(TrumpAlwaysChickensOut、トランプはいつも尻込みする)」との造語を考案した経緯がある。 このエピソードは、ベッセント氏は自身の役割は大きなものではないと繰り返し主張し、あくまで大統領のポピュリズム的衝動を政策に落とし込み、それを市場向けに翻訳する謙虚な助言者として自らを位置づけた。「自分の仕事は選択肢と結果を提示し、それを伝えた上で、表現の仕方を管理することだ」と説明した。「20カ国・地域(G20)で交渉するにせよ、貿易協定の交渉や議会との交渉にせよ、大統領を代表して発言していることを理解していなければならない」と、トランプ政権1期目で財務長官を務めたスティーブン・ムニューシン氏は語る。トランプ氏との関係を語り、自身の経済哲学を説明し、財務長官としての喫緊の優先事項の幾つかに言及した。大統領代表団の一員として大阪・関西万博のイベントに臨んだベッセント氏の職務範囲をはるかに超えている。国債の発行や税収の管理、社会保障給付、金融規制、対外投資の審査、経済制裁といった標準的なポートフォリオに加え、ベッセント氏だった。同氏がこれほど大きな役割を担っている背景にはアジア、特に日本に対する深い知見がある。トランプ氏の看板政策である大型減税・歳出法案「一つの大きくて美しい法案」が議会で障害に直面した際、ベッセント氏はその打開に重要な役割を果たした。関連記事:米大型減税・歳出法案、トランプ大統領の署名で成立-政治的勝利に ベッセント氏は、パウエル議長の後任に自らが就く意思はないとしつつも、新たな議長選出プロセスを主導している。「彼がいかにうまく政治環境を乗りこなしているかには感心している」と、ドラッケンミラー氏は記者団に語った。 複数の元米通商当局者は、根本的な問題の幅広さと複雑さを踏まえると、最終合意には数年を要する可能性があると指摘する。 最終的には為替市場こそが、米国が国際金融システムに対して比類なき支配力を持っていることを深く理解している。「なぜロシア、中国、イランがドル決済システムから離れようとするのか。」 ベッセント氏は既に、自らの「レガシー」について考えている。だが、もっと大きな目標を持ち、自分の痕跡を残すこともできると話す。 「グリーンランドを買ってみようかとも、ベッセント氏はほほ笑みながら語った。」
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース ベッセント米財務長官、大統領の謙虚な助言者を自認-インタビュー