洋上風力発電、先行き不透明に-三菱商事が国内3海域で撤退
記事を要約すると以下のとおり。
三菱商事は27日、事業性の再評価を進めていた秋田・千葉県の3海域での洋上風力発電事業を取りやめると発表した。 中西勝也社長は同日都内で開いた会見で、建設費が入札時の見込みから2倍以上に膨らみ、将来さらにコストが膨らむリスクがあったと説明。 中西氏は会見後、武藤経産相に撤退を報告。 海外でも洋上風力事業は厳しい環境に置かれている。逆風が吹く中、三菱商連合が予定していた3海域で計約170万キロワットの発電容量の穴埋めや、企業の収益確保の仕組み作りが欠かせない。デンマークの洋上風力発電機Photographer:ThomasTraasdahl/AFP また大和証券の西川周作アナリストは事前の撤退報道を受けて、ほかのエネルギー事業者にとって再公募の案件獲得などにつながる可能性があるとした上で、国内洋上風力の収益性の厳しさを示すもので、リターンは必ずしも明確ではないとも指摘していた。 洋上風力は政府の公募に入札した企業連合の中から価格や実現性で高く評価されたグループが採択される。長期的な収益の見通しを立てやすくして企業の参入を促す仕組みだ。中西氏は会見で、FIPへの転換を前提とした売電先との対話を独自にしてきたが、仮に転換したとしても採算が取れないと判断したと明らかにした。一方、急激なインフレへの対応は「制度が追いついていない実態もある」と述べた。
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