年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は4日、3月末時点のESG(環境・社会・企業統治)指数に基づく株式の運用状況を発表した。関連する運用資産額は株式全体の15%と、1年前から微増となった。
GPIFが選定するESG指数に基づく運用資産額は約18兆2000億円だった。このうち国内株が9兆8000億円、外国株が8兆4000億円だった。2024年3月末には、株式投資のうち14%がESG指数に基づいた運用だった。
今年1月に発足した米トランプ政権は温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱を決めるなど、反ESG色を鮮明にする。 ESG投資に逆風が吹く中、世界最大規模の年金基金がこれまでの立場を崩さずに推進するかに注目が集まっている。
GPIFは長期的に投資収益を確保するには社会の持続可能な成長が必要という考えに基づき、17年にESG投資を始めた。まず国内株で指数に基づく運用を始め、海外へと対象を広げた。
今年3月末にはESGや社会や環境へのインパクトを考慮した投資に対する基本的な考え方を示す「サステナビリティ投資方針」を公表した。新しいESG指数を選定する方針などを示した。
ブルームバーグ・インテリジェンスの本間靖健アナリストは「ESG資産を強化するという姿勢だ」と指摘する。本間氏によれば、トランプ政権による逆風でも欧州やアジアなどでは企業のESG活動を積極的に評価しようとする投資家が引き続き多い。
GPIFは同方針の公表にあわせ、ESG指数への投資額を最適化する姿勢も示した。保有する株と債券の比率をならすために資産を売却する必要が生じた際、ESG関連も対象に含める。これまでは売却の対象外だったため、保有資産に占める割合が上昇していた。
方針に基づき、25年5月末時点では国内株に占めるESG指数投資の比率は13%とピークだった24年3月末から3ポイント低下した。
内田和人理事長は同日の記者会見で「ESG指数投資についてはリバランスの対象外としていたので、残高の調整をしている」と説明した。
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