イングランド銀行(英中銀)のベイリー総裁とラムズデン副総裁は24日、労働党政権による予算で雇用コストが急増したことによる影響が拡大するなか、国内の雇用情勢が急速に悪化している形跡が増えていると指摘した。イングランド銀が今夏中にも追加利下げに踏み切る可能性が強まったことを示す、最も明確な兆候の一つといえる。
ベイリー氏は上院経済委員会の公聴会で、「労働市場が軟化し始めている兆しが見られる。全国を回って企業と話す中で一貫して感じている」と述べた。
イングランド銀行のベイリー総裁
Photographer: Hollie Adams/Bloomberg また、給与の上昇ペースについては、「2%のインフレ目標の水準を大きく上回っている。企業は一貫して、それでも減速傾向にあるとしている」と語った。
ベイリー氏のこうした発言は、4月に導入された雇用主向けの給与増税260億ポンド(約5兆1300億円)と、最低賃金の引き上げという負担増に労働市場が耐えられなくなっている状況を反映しており、イングランド銀が8月にも追加利下げに動くとの観測が強まりそうだ。
税務データによると、5月の英国内の雇用は過去5年間で最速のペースで減少しており、昨年10月に労働党の政策が発表されて以降、25万人超の雇用が失われたことになる。
イングランド銀の金融政策委員会(MPC)は19日、政策金利の据え置きを発表したが、労働需要の減退兆候を重視する姿勢を示していた。市場は、8月の次回会合での利下げ確率を80%とみている。
イングランド銀行ラムズデン副総裁
Photographer: Hollie Adams/Bloomberg ラムズデン氏も24日、英銀バークレイズの金融政策フォーラムで講演し、労働市場の現状について、「現在私たちが見ているのは、急激な悪化というよりは、持続的で累積的な緩和の進行だ」と述べた。同氏は、雇用の急減によってインフレ率が目標の2%を下回る恐れがあるとして、19日のMPCでは0.25ポイントの利下げを支持した。
ラムズデン氏は、仮にインフレ圧力が想定より強くても、利下げ後も「金融政策は依然として明確に引き締め的な水準にある」として、利下げは安全との見方を示した。
また、「最近の雇用の傾向が続けば、労働市場においてより大きな弱含みの兆候が現れ、失業率が今後1年でMPCの基本予測を上回って上昇するリスクがある」と警告した。
原題:
Bailey Echoes BOE Colleague Ramsden’s Dovish View of Jobs Market(抜粋)







