洪水に見舞われたテキサス州、なぜ気象災害に脆弱なのか-QuickTake
記事を要約すると以下のとおり。
米テキサス州を今月襲った洪水では130人以上が死亡し、推定180億-220億ドル(約2兆6800億-3兆2800億円)の損害が生じた。カリフォルニア州やフロリダ州ではなく、テキサス州こそ米国における異常気象の中心地だ。 これらの災害の損害額はインフレ調整後で約4400億ドルに達し、フロリダ州に次ぐ規模となっている。海岸線が367マイル(約591キロメートル)に及ぶ点も、同州がハリケーンや熱帯低気圧に見舞われやすい要因だ。この地帯ではメキシコ湾の不安定な空気が、ロッキー山脈から張り出す寒冷前線とぶつかり、竜巻が発生しやすい。一方、寒波が到来することもあり、厳しい寒さと降雪が観測される。気候変動がテキサス州の気候評価報告書によると、同州の気温は1800年代以降、少なくともカ氏2度(セ氏1.1度)上昇した。 気温が上昇すると、空気はより多くの水分を保つことができ、豪雨や洪水を引き起こす。 ライス大学の環境法教授で、激しい暴風雨予測・教育・災害避難センターの共同ディレクターを務めるジム・ブラックバーン氏は、州の規制アプローチが重要課題だと指摘する。例えば、テキサスは洪水危険区域での大規模開発を容認し、域内の雨水吸収能力を制限している。だが、雨水管理「C-」、ダム「D+」、堤防「D-」と、洪水対策の主要インフラがいずれも平均を下回った。州は送電網が他の州からほぼ孤立している仕組みに起因するとみている。同州で送電網と接続する高電圧送電線が非常に少ない。対応がうまくいかなかった原因を探る連邦当局は今後、警報システムの妥当性を検証する。だが今回の災害を受け、テキサス州のアボット知事は、河川警報システムの問題を取り上げる州議会の特別会合の開催を表明している。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 洪水に見舞われたテキサス州、なぜ気象災害に脆弱なのか-QuickTake