おすすめ記事

自動車版サブプライム破綻は「炭鉱のカナリア」、米家計に広がる痛み

記事を要約すると以下のとおり。

[MARKOVE row="3" delimiter="。" pre="" end = "
"]

米国ではここ数年、経済的に最も困窮している層が自動車ローンやその他の借入金の返済で延滞を重ねてきた。それでも米国経済は、こうした動きに左右されることなく成長を維持してきた。
  しかし今週、現実を突きつけられる事態が起きた。
  中古車販売およびサブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローンを事業の柱とするトライカラー・ホールディングスが、連邦破産法第7条に基づく会社清算を申請したのだ。大手金融機関に飛び火する恐れがあるほか、事情に詳しい関係者によると、連邦検察当局は詐欺疑惑の捜査を開始した。
関連記事:
自動車版サブプライム破綻、ウォール街に衝撃拡大-証券化市場に火種

  不法移民向けのローンが多いなど、今回の件には同社固有の要因もある。ただ、景気減速のなかで低所得層の借り手にとどまらず、比較的裕福な層にまで苦境が広がりつつある状況も映し出している。
  「懸念されるのは、景気悪化に伴い同様の事例がさらに表面化するかどうかだ」。こう語るのは、コロンビア大学のビジネススクールとロースクールの共同研究機関で上級研究員を務めるトッド・ベイカー氏だ。「これは炭鉱のカナリアなのではないかという懸念がある」と述べた。
  信用スコアが620未満のサブプライム自動車ローン利用者は、数十年ぶりの厳しい状況にある。フィッチ・レーティングスによると、サブプライムローンの借り手で返済が60日以上遅れている割合は今年1月に6.56%に達し、1994年の統計開始以来の
最高を記録した。その後も延滞率はおおむね同水準で推移している。
  自動車調査会社エドマンズのインサイト部門ディレクター、アイバン・ドゥルーリー氏はこうした状況を「危険信号」だと指摘する。「自動車ローンの支払いを見送らざるを得ないというのは、事態が相当に悪化している証拠だ。多くの人にとって車は通勤手段であり、生計を立てるための道具でもあるのだから」と語った。

関連記事:
新車ローンに「胃が痛い」、7年の支払い地獄脱した米消費者語る
  ニューヨーク連銀によると、米国の家計債務のうち延滞90日以上の「深刻な延滞」の比率は現在、2020年初頭以来の高水準に達している。その中には、今年急増している学生ローンの延滞も含まれる。
  苦境は低所得層や信用スコアの低い借り手にとどまらない。比較的裕福な層にも返済難は広がっている。信用スコア会社バンテージスコアによると、年収15万ドル(約2200万円)以上の層でも、クレジットカードや自動車ローンの延滞が過去2年間で約2割増えた。  
関連記事:
米高所得者層のクレジットカード・債務延滞が増加-経済の脆弱さ示唆
ノンバンク介した融資
  ウォール街からみれば、家計債務の増加は追い風だ。新たな与信枠の設定を促し、融資を資産担保証券に再組成して販売する流れが続いている。
  米大手銀行は、サブプライム自動車ローンや家計債務の一部では融資を絞り込んでいる。それでもトライカラーを含むノンバンク系の貸し手に対しては多額の与信を供与し、空白を埋める役割を担わせてきた。規制の厳しい大手金融機関にとって、サブプライム層への直接融資はリスクが大きすぎるとみなされる一方、ノンバンクを介した融資であれば一定の距離を置けるとの考えが働いている。

  サブプライム住宅ローン危機は例外として、こうした証券化の仕組みは投資家にとって概ね良好に機能してきた。サブプライム自動車ローンを裏付けとする債券は、この約30年間でほとんど損失を出していない。
  しかし、トライカラーの破綻以前からすでに市場には亀裂が生じていた。10本以上の資産担保証券(ABS)が損失リスクにさらされており、その多くはすでに破綻したサブプライム系の貸し手に関連している。

  サブプライム自動車ローンが返済されないままに終わることは少なくない。しかし、トライカラーには損失を抑える効率的な仕組みがあるとされていた。返済不能となった借り手の車を差し押さえ、修理したうえで自社の販売網を通じて新たな顧客に販売するというものだ。
信用スコア低い層に負担
  一方、サブプライム向けローンの金利も他の分野と同様に上昇している。エドマンズによると、8月の平均金利は新車で7%、中古車で10.7%だった。信用情報会社エクスペリアンによれば、信用スコアが最も低い層ではさらに高く、新車で平均16%、中古車では約22%に達した。
  トライカラーの顧客に限らず、公共交通機関が十分でない地域に暮らす人々にとって、自動車は職場などへの移動に不可欠な手段だ。そのため、高金利のローンでも借り入れに踏み切るしかないのが実情だ。さらに多くの移民にとっては、在留資格の有無にかかわらず、言語の壁が立ちはだかる。
  「自動車ディーラーを訪れるのは誰にとっても気後れしやすく、問題も多い。特に英語を母国語としない消費者にとってはなおさらだ」と、米消費者連盟の消費者保護部門ディレクター、エリン・ウィッテ氏は語った。
  こうした消費者は足元、特に弱い立場に置かれている。過去にトライカラーのような自動車金融会社が破綻した際には、米消費者金融保護局(CFPB)が介入し、不当な車両差し押さえを行っていた企業の行為を阻止した。しかし、トランプ政権は同局の権限を大幅に弱らせ、自動車金融会社に対する監督を制限する方向に動いている。
  また、トランプ政権による移民取り締まり強化は、多くの不法移民に当局への相談や支援要請をためらわせている。自動車購入時のローン契約では社会保障番号(SSN)が不要とされる場合もあり、不法移民への融資を禁じる明確な規則や罰則も設けられていない。
原題:
Tricolor’s Sudden Downfall Renews Fear of Subprime Consumer Pain(抜粋)

[/MARKOVE]

[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 自動車版サブプライム破綻は「炭鉱のカナリア」、米家計に広がる痛み

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Xでフォローしよう

おすすめの記事