【コラム】「動かぬトランプ」に賭け、米株並みの勝算-オブライエン
記事を要約すると以下のとおり。
トランプ米大統領は「情報の洪水」を起こすことが得意だ。 では、世界で最も影響力の大きい人物が、同時に「混乱に陥れるプロ」であるという現実に直面した市民は果たして何をすべきか。忍耐は美徳だ。具体的には、トランプ氏が全く何もしないことに賭けた方がむしろ利益を得られることが分かった。対象は関税から閣僚の更迭、大統領令の署名まで多岐にわたる。 熟練の予測者ならこの誤差を突く複雑な賭け戦略を考案できたかもしれないが、単純なルールでも利益は得られた。半面、一貫して「イエス」に賭けていれば、資金の20%を失っていた可能性がある。しかし分析の結果、群衆は政治的事象、特に大統領の行動について予測する場合、その確率を過大評価する傾向があることも明らかになった。財界やエンターテインメント業界での経歴、あるいは常に話題の人物としてのトランプ氏の活動を見てきた人なら、そのパターンがホワイトハウスでも続くことを予見できただろう。賭けをする人には少しの利益をもたらすかもしれない。 個人的な偏見や根拠のない楽観に依存しすぎる傾向は、あらゆる投資家に起こり得る。つまり、トランプ氏の行動の頻度を過大評価することは、特定の政策領域に限らず共通していた。こうした市場は不確実性が少なく、予測精度が高いためだ。 関税政策に関する分析では、新たな関税が導入・発効するかどうかに絞った。 とはいえ、2期目のトランプ氏が口先だけに終始しているわけではない。司法制度や大統領権限の濫用も同様だ。これは「認知的過負荷」と呼ばれる現象だ。いずれもおなじみのテーマだが、集中力を切らした人は聞き逃したかもしれない。 これは予測市場が極めて重要な出来事を測る有用な指標になり得ることを示している。 いずれにせよ、トランプ氏に関して、我々は本質的に予測不能で、かつ往々にして信頼がおけず、常に周囲を惑わせようと執着している人物に対処していることになる。(ティモシー・オブライエン氏はブルームバーグ・オピニオンのシニアエグゼクティブエディター。同氏はシカゴ大学犯罪研究所および教育研究所の元データサイエンティスト。
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