懸念されていた「満期の壁」は、スピードバンプ(減速帯)程度だと明らかになりつつある。ジャンク(投機的格付け)債のグローバル市場では今年に入り、近く償還期限が到来する返済額が少なくとも過去10年で最も減った。
ブルームバーグの集計データによると、2年以内に期限を迎える高利回り債1700億ドル(約24兆4800億円)強相当を企業は今年これまでに償還した。過去最低水準の資金調達コストを背景に返済がピークに達した2021年全体の償還額を上回る。
大量の債務が同時に返済期限を迎える「満期の壁」の崩壊が、潜在的なデフォルト(債務不履行)多発の不安を和らげつつある。リスクの高い借り手は、持続不可能な債務コストが経営破綻や解雇につながり、実体経済に影響が波及するとの懸念をよそに高めの金利で借り換えている。予想される利下げを前に利回りを固定しようとする投資家が需要を支え、スプレッドは低く抑えられている。
トゥエンティフォー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジョージ・カーティス氏は「今はもう大した壁ではない。フェンス程度かもしれない。市場はかなり良い状態にある。マクロはより安定しており、ハイイールド市場にまずますの資金フローがうかがえる」と指摘した。
Global Junk Bond Maturity Wall Records a Historic Decline
Source: Bloomberg
Note: Through Aug 22, 2024; global non-financial corporates with at least one sub-IG rating
新発債市場が突然停止し、土壇場で計画が駄目になるような事態を避けるため、償還期限の約1年半前に企業は借り換えを通常行おうとする。
リスクの高い発行体の社債購入意欲を期待できる状況も続いた。LSEGリッパーのデータによれば、レバレッジドローンファンドには年初から8月7日までに110億ドルの資金が流入。高利回り債は同21日までの1週間の純流入額が約6億8000万ドルに達した。
借り手にとって、1兆7000億ドル規模のプライベートクレジット市場の投資意欲も借り換えの選択肢を増やす要因として働いた。
コメルツ銀行のクレジット戦略責任者、マルコ・シュトクル氏は「金利モメンタムの改善を考えれば、資金調達見通しに22年と23年の大部分ほどのストレスはもはやない」と認識を示した。
原題:
Junk Bond Maturity Wall Records Historic Collapse: Credit Weekly(抜粋)
(資金流入額のデータなどを追加して更新します。)






