衝撃と驚きに満ちた2024年、紆余曲折の回顧録-円キャリー復活の兆し
記事を要約すると以下のとおり。
投機的な個人投資家の熱狂、この世のものとは思えないほどの暗号資産(仮想通貨)の値上がり、そして円キャリートレード復活の兆し。それは伝統的な金融界を驚愕(きょうがく)させたほどだ。これを受け、ビットコインは記録的な急上昇を続け、10万ドルの大台を突破。最近の暗号資産の急上昇で大きな勝利を収めたマイクロストラテジーの株価のボラティリティーに対するバイデン大統領の下での引き起こした取引の一つは、データ分析ソフトウエア会社、マイクロストラテジーの共同創業者でビットコイン強気派のマイケル・セイラー氏Photographer:EvaMarieUzcategui/Bloomberg かつてビットコイン懐疑派だったが今では支持者にくら替えしたトランプ氏は人工知能(AI)・暗号資産支持者のポール・アトキンス氏を指名した。共同創設者で会長のマイケル・セイラー氏は市場での株式売却と転換社債(CB)の発行を組み合わせて資金を調達し、ビットコインへの投資を続け、現在の保有規模は400億ドル余りとなっている。 一方、セイラー氏の戦略は少なくとも現時点では正当性が一部裏付けられている。 今やリスク分布図の反対側にいる投資家のためにマネーマーケットETFが存在する。NVDLというティッカーで取引されるこのETFは、11月下旬に運用資産が67億ドルと過去最高を記録した。米大統領選挙でのトランプ氏の勝利を受け、すでに勢いづいていた投資家は一段と強気になった。市場のタイミングを逸したからだ。 多くの投資家と同様、8月の短期的な市場急落時にはエヌビディアやテスラなど最も人気の高い銘柄の一部でパニック売りが相次ぎ、個人投資家は全て安値で売り払ったが、これが痛手となった。これは2015年以降の指数がプラスのリターンを記録した年の中で2番目に低いパフォーマンスだという。 バンク・オブ・アメリカによると、S&P500構成銘柄の半分強が指数をアウトパフォームしたことを考慮すると、このパフォーマンスの悪さは特に顕著だ。-NataliaKniazhevich米国債の年初から12月18日までのリターンが平均で0.7%だった。国債がキャッシュをアンダーパフォームするのは4年連続で、ブルームバーグがTビルやコマーシャル・ペーパーなどキャッシュのような証券を保有する米国のマネー・マーケット・ファンド(MMF)の運用資産総額は今年、8000億ドル超の増加となり、初めて7兆ドルを突破した。 ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイもTビルの保有残高が今年、2倍強となり、第3四半期時点で3000億ドルに迫っている。これが債券にとって好調な年への道を開くと考えられていた。そのため、比較的長期の米国債が変動に耐え忍ぶ中でもキャッシュと同等のリスクフリー資産の利回りを上回っていた2年余りの期間を経て、その利回りの優位性は消え、年初にあった約1.5ポイントのギャップが解消された。 米金融当局の道筋に陰りが差す可能性がある。もちろんTビルはそうはならないと述べた。 最も大きな損失を被ったのは、新興国市場の円キャリートレードだ。これは今やウォール街の伝説となっている。一方、新興国通貨バスケットの円キャリートレードの復活をいち早く予言したATグローバルやペッパーストーン・グループなどの外国為替証拠金取引(FX)ブローカーの見方をある種裏付けるきっかけになる。成長を刺激し、根深い不動産危機を緩和しようとする政府の取り組みにもかかわらず、期待されていた経済回復が実現しなかったことに多くの投資家がなおうんざりしていた。また、アバディーンは10月から10年債と30年債のロングポジションを構築し始めた。 中国の30年国債に連動するETFの今年のリターンは約21%に達している。習近平国家主席率いる中国当局は、経済を支えるために公的債務と歳出を増やす意向を示しているPhotographer:TonMolina/Bloomberg 中国株の方がリターンが大きくなると予想している。 フィデリティ・インターナショナルのマルチアセット投資運用部門グローバル責任者マシュー・クワイフ氏はインタビューで、来年は「中国株の方が明らかに費用対効果が高い」と述べた。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 衝撃と驚きに満ちた2024年、紆余曲折の回顧録-円キャリー復活の兆し





