投資ファンドが直面する壁、売り手と買い手の期待値にギャップ
記事を要約すると以下のとおり。
ブラックストーンやアポロ・グローバル・マネジメントなどプライベートキャピタル業界の大手は、今後10年で数千億ドル規模を欧州に投資すると表明している。 しかし、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資業界の関係者は慎重な姿勢を崩していない。 4-6月のM&A総額は回復基調を示した一方、PE関連の取引は失速した。 ホワイト&ケース法律事務所のパートナー、ジェレミー・ダフィ氏は「クライアントは、上場企業を買収して非公開化する際に、借り入れを使った買収パッケージ全体が妥当かどうかを綿密に計算している」と述べた。 中でも買収を検討するPEファンド傘下企業の新規株式公開(IPO)も欧州で難航している。だが現在は株式市場の熱狂的な上昇が企業のファンダメンタルズを正確に反映していないと、多くの買い手が疑念を抱いており、この手法が通用しづらくなっている。 かつては買収対象企業に多額の借金を負わせるレバレッジ型の買収手法が主流だったが、昨今ではPEファンド自身がより多くの自己資本を投じることが必要になっている。 実際に売却の停滞が解消され実質的なリターンが生まれ始めれば、PEファンドに出資する投資家の心理も改善し、資金調達が容易になることも期待される。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 投資ファンドが直面する壁、売り手と買い手の期待値にギャップ